縄文太鼓制作ワークショップ|演奏会に向けた太鼓の胴づくり
土祭 2021 レポーターの仁平です。
5月22日に安全祈願などを含めたオープニングがなされ、正式に会期が始まった土祭2021。これから町内の各地でさまざまな催しが行われていくことでしょう。
その中で今回は、益子ならではの「土を感じられる体験型の企画」のひとつが実施されました。その名も「縄文太鼓制作ワークショップ」です!
尚、この企画は10月に開催される 感性の土壌「丘で踊る」−小宅古墳群と縄文太鼓の演奏– に関連したものとなっています。詳しくは後述します。
そもそも縄文太鼓って?
縄文太鼓は今回の講師の茂呂さん(後述)が発案されたもので、今から1万年以上前の縄文時代に作られたとされる、「縄文土器」からヒントを得て作られた太鼓だそうです。
その作り方はいたってシンプル。詳しくは以下で制作の模様をレポートいたしますが、いわゆる「土器」にエゾシカなどの動物の皮を張って太鼓にするというものです。
出てくる音はとても力強く響き渡り、通行人を止めてしまうほどのインパクトがありました。
そんな縄文太鼓を今回のワークショップでは、益子の土と窯焼きの設備などを活用して制作していきます。
集合してすぐに作るかと思いきや...
今回の会場は益子町の陶芸メッセ・益子にある陶芸工房です。受付の時間からは早速、茂呂さんたちは持参した縄文太鼓を演奏されていました。
こちらが今回の講師でジャンベ太鼓・縄文演奏家として活動されている茂呂 剛伸さん。
そして講師は茂呂さんの他にも4名の方がご参加。いずれも縄文太鼓奏者として活動されている皆様です。
写真左から:石田しろ さん、川村 怜子 さん、茂呂 剛伸 さん、佐藤 夕香 さん、 石橋 俊一 さん。
講師の皆様のプロフィールや活動経歴などの詳細は、関連情報をご確認ください。
今回の縄文太鼓制作のワークショップは午前と午後に分けられ、計30名弱の方が参加されました。
参加者の集合後、まずは挨拶 → 縄文太鼓制作かと思いきや、なんと挨拶代わりのミニ演奏会!
そしてそれだけでは終わらず、演奏会の後には茂呂さんたちが用意してくれた縄文太鼓を使い、早速セッション!予想外の展開です(笑)
参加者も茂呂さんたちと一緒に縄文太鼓を叩きました。これでこれから作るものが具体的にイメージできたのではないでしょうか。
伝統的な手びねりと縄などを使った装飾で太鼓づくり
演奏会・セッションの後はいよいよ、参加者各々の縄文太鼓づくりがスタート。まずは粘土づくりで材料はこちらです。
ベースとなるのはなんといっても益子の粘土。そこに茂呂さんたちが持ってきた縄文土と、装飾アイテムとされる金雲母を練り込んでいきます。縄文土は石や貝殻も含まれている当時物だそうで、これを練りこむことで土が持つ縄文時代の記憶が音として現代に蘇るのだそうです。
続いて金雲母。こちらは当時では贅沢な装飾品とのことですが、茂呂さんいわく「縄文人たちがうらやましがるくらいまぶしましょう!」ということで、みんないっぱい練り込んでました(笑)
そうしてできた粘土をよーっくコネて、昔ながらの手びねりで土器の形にしていきます。
土器のサイズに合わせて板状に粘土を伸ばし、、、
円筒状に形を整えていき、、、
それを重ねて高さを出し、つなぎ目がなくなるように綺麗に整形。
そしてここから、縄文土器らしい模様を道具を使って描いていきます。
定番!というのは縄を転がして描く手法。見たことあるいわゆる縄文土器って感じですね(笑)
凝った方はヘラを使って柄やくぼみなども描いていました。
個人的に見ていて楽しかったのは子どもたちの制作方法。木の実や葉っぱ、石などそのへんで拾ったもので模様を作っていました。発想が柔軟ですね!
縄文太鼓の完成は10月。参加者も演奏会で叩きます
こうして作られた縄文太鼓の胴たちは自然乾燥のあと、益子町内の窯で焼き上げられます。
その後は北海道の茂呂さんたちのもとに送られ、エゾシカの皮を張り込んで縄文太鼓になり、再び益子に戻ってくる予定となっています。
今回のワークショップに参加された制作者のみなさんとの対面は10月予定。で、受取当日は演奏会に向けたリハーサルも行われます。
・・・そうなんです。
このワークショップが演奏会と関連しているのは、参加者が自分で作った縄文太鼓で茂呂さん率いる縄文太鼓の演奏者の方達と一緒に、みんなで小宅古墳群の丘の上で演奏する予定なんです。
5人の演奏でも大迫力でしたから、ワークショップ参加者相当の縄文太鼓が一堂に会しての演奏は、相当力強いものになりそうですね!
縄文土器ワークショップの模様・ミニライブ
土祭公式SNS(Instagram)ではこのイベント当日、ライブ配信も行われました。
>> 縄文太鼓ワークショップミニ演奏会
映像撮っておいてなんですが、太鼓の演奏は生で聴いて振動までを直に感じるのが一番ですね。カメラ片手に聴き入ってしまいました(笑)
演奏会の詳細などにつきましては、下記の関連情報をご確認ください。
(土祭2021 レポーター :仁平 肇)