制作過程報告|七井地区「里山プロジェクト」

益子町は、大きく3つの地区に分けられます。その1つが七井地区。益子町の北側に位置します。どんなところかと端的に申しますと・・・、

◎茂木町や市貝町に近い。

◎芳賀グリーンコリドールや123号線が走っており物流系の交通量が多い。(宇都宮や水戸へ出やすい)

◎近年開発された七井中央エリアでは大型スーパーマーケット、ベイシアが存在感を発揮している。

◎それでいて、田園が広がる谷の地帯とそこを囲む丘陵地帯がセットで混在し、「里山」と呼べる風景も多く見ることができる。

 

今回、七井地区の方々は、土祭2021の地域づくりプログラムに向け、どんな企画を行おうか話し合いを重ねてきたそうです。そして決定した4つの柱『菜の花プロジェクト』『里山プロジェクト』『食プロジェクト』(残念ながら中止決定)『竹細工プロジェクト』(こちらも中止が決定)。詳細は、本記事の終わりに記載してありますリンクをご覧ください。

 

11年目の思いを形に

さて、8月22日(日)私は、七井地区の小宅で行われていた『里山プロジェクト』の準備の様子を見学させていただきましたので、そちらの様子をお伝えいたします。


この日は、亀岡八幡宮里山の会の床井秀夫さん、小倉昭三さん、里山プロジェクトリーダー・大塚明さんと土祭七井地区委員リーダー・清水益栄さんが、9月12日(日)小宅古墳群に設置予定のパネルを完成させる最終段階の作業を行なっていました。作品の内容と込められた思いをお聞きしました。とてもお話好きで気さくな方々で、あっという間に時間が過ぎました。改めて、益子、すてきなところ(^^)と思わせてくれました。

「里山(小宅古墳群)に、アート作品を置くことになり、そちらを仕上げています。小宅古墳群にちなみ、各時代ごとのイメージをパネルにしました。それから、ここの地域に住む、タヌキ・アナグマ・キツネのパネルも作りました。」


「里山の自然の風景に馴染むよう、来る人に楽しんでもらえ、さらに、こういうところなんだよ、というイメージアップの意味も込めて制作しました。」

 

小宅古墳群と言えば、ご存知の方も多いと思いますが、春は菜の花と桜、秋は彼岸花、と美しい景色が観光客を呼ぶきっかけとなっている場所です。


【春の小宅古墳群】

菜の花や彼岸花は、もちろん、自然に生えているわけではありません。里山の会の方と、それを支えるボランティアの方々の努力の賜物なのです。小宅古墳群の整備は、11年も続いています。1〜2年は熱意で続けられるそうですが、それ以降は士気が落ちるため、継続することは本当に大変なのだとか。11年続けてきている里山の会のメンバーには次の合言葉があります。

くじけない

あきらめない

やりとげる

最近は、古墳群が町の子どもたちの学習材料にもなっており、喜ばしいことだそうです。古墳群の歴史や現状だけではなく、(こういった陰の努力というか)続けていくことの大切さや大変さも伝えたい、と言っていました。

里山の会は、どのようなきっかけでできたのでしょうか。

「元々、我々がここに衣食住が満ち足りて、生活できているのは、ご先祖さまのおかげです。そこで、自分の生まれ育った場所をきれいにしたい。ご先祖さまを敬いたい。こういった思いがあり、そこから荒れ放題の里山を整えていこう、ということで始まりました。土祭とも関連しますが、我々が行なっているのは、地域づくりです。整備する→人が来る→観光に繋がる→経済が回る→若い人が住んでいるところに愛着を持つ。こういった流れが生まれることを目指しています。」

なるほど。もう少しで『地域づくり』循環が完成しそうです。

話の中で、こんなつぶやきが聞こえてきました。

「亀岡八幡宮、小宅古墳群、あと、ちょっと休憩できるコーヒーが飲めるカフェがあれば最高だよなぁ」

私も、小宅古墳群の周辺にカフェがあったら・・・と想像してみました。にやけてきてしまいました。

 

設置は9月12日です

「里山プロジェクト」の制作した古墳群パネル。来たる9月12日に設置予定です。10月ごろには彼岸花が見頃を迎えます。

ぜひ、風景を楽しむとともに、古墳群に点在するパネルを探しにきてください。

制作の様子の動画もぜひご覧ください。

(土祭2021レポーター 橋口奈津子 写真・早瀬友貴、橋口奈津子)

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