営みと暮らしの共有を通じたまちづくり/まちのデザイン~益子本通り界隈の活性化への取組み~

宇大生とまちづくりを考える

10月15日(土)に、宇都宮大学の建築学科、遠藤康一先生と大嶽陽徳先生、そして各研究室の学部4年生~大学院2年生の計17名で益子町の本通り界隈のまち歩き調査を行いました。

今回の目的は、地域の現状を“知る”こと、住民の声を“聴く”ことを通して、これからの益子町の将来像を見出すきっかけをつくることです。
遠藤先生は、
「まちづくりは私たちが行うのではなく、町の方々が主人公。私たちはそのサポート役です。由来や繋がり、地形を考慮した計画が必要。」
と、教えてくださいました。
外部から一方的に、また断片的に行うのではなく、内部から地域全体を醸成することが大切なのですね。

当日の様子

まず、学生が3~4人の4グループにわかれ、それぞれ地元をよく知る案内役の住民の方と2時間ほど担当地区の調査をしました。

その後まとめ作業を行い、案内してくださった住民の方々を交えた発表会を行いました。

今回調査したのは、本通りに面する新町地区、田町地区、内町地区。
新町地区は面積が大きいため、2区画にわけて、それぞれ担当グループが調査しました。
私は内町地区を担当した4班の調査に同行しました!

Let‘s まち歩き

まち歩き調査のお供は、30年前と現在の2種類の地図。
建物こそは変わっているところも多いですが、道はそのままのところが多いです!

そして印象的だった風景をチェキで撮影していきます。

土地の使われ方を住民の方々に教えてもらいながら、空き家、路地、土地の管理状況などを地図に記録していきました。
何度も通っている道路も、ゆっくり話をしながら歩くことで、今までと違った見方ができることを発見!
まちの歴史と現況の使われ方を比較するのは面白いですね。

気付きの共有

調査結果を拡大地図に書き込みます。
建築学生らしく、動線をイメージした矢印や断面図で考察を見える化していきます!

そして最終発表です。調査で気付いた“よかった点”、“改善点”を踏まえたのち、各班なりのまちづくり提案を発表しました。

住民の方々も参加し、活気的に意見が飛び交います。
空き家を資源とみなす考え方など、観光地や商業地として営みと暮らしの共存の仕方を共有しました。
今はまだ漠然とした意見ですが、今後発展していくことに期待したいです!

参加した住民の方にお話しを伺うと、
「何十年も住んでいるけど、若い人との交流によって新しい発見があった」
「子供のころのまち並みを思い出して、今より栄えていた時を懐かしく感じる」
「このままじゃいけないと思った」
など、案内した住民の方々にも新たな学びがあったことがわかりました。

さいごに

取材を通して、これからのまちづくりに大切なのは、私たち町民だということに気が付きました。

どのような歴史を経てきたのか?どう在りたいか?

今回の取り組みが、アカデミックな知見をもとにした“自発的なまちづくり”のきっかけになったのではないでしょうか。今後も大学と連携したまちづくりが行われていく予定です。
まちづくりの正解は1つだけではありません。
あらためて、自分が住む“益子町”を見つめなおしたいと思いました。

(土祭2021レポーター 金敷奈穂)

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