「益子の原土を継ぐ」陶芸家 宮田 竜司さん

益子で採れる原土を用いて陶芸家・染織家・日本画家・左官、24名の作家たちが、
新しい表現に挑戦しています。
益子の原土「北郷谷黄土」「新福寺桜土」「大津沢ボクリ土」の3種類を使用し制作。
作品は、土祭期間中、展示会場のひとつとなる、陶芸メッセ内 旧濱田邸で、展示します。
24名の作家の、作品への想いを紹介します。

陶芸家 宮田 竜司さんの、作品への想いを紹介します。 

益子の原土を継ぐ 宮田竜司さん

宮田さんは7年間、陶芸家のもとで修業し、小宅地区に築窯され、
現在は、石ものと言われる磁土と、土ものと言われる粘土で作陶をしています。
個展の最中で、某ギャラリーで、土祭の作品について伺ってきました。

「私の祖父は、濱田庄司の作品を持っていて、小さい頃から、私も眺めていました。
益子という土地には、昔から縁がありました。
益子に濱田窯があるということや、私の師匠が益子で活躍する陶芸家というのもあり、
益子で築窯することにしたんですよ。」

益子の原土を継ぐ 宮田竜司さん

個展初日ということもあり、次から次へとお客様が絶えません。
陶芸仲間も、何人も作品を見にいらしたりして、宮田さんの交流の広さが感じられました。
「土祭の作品は、茶碗を出そうかなとも思ったりもしましたが、品があるものがいいのかなと。
一般のお客様がたくさんいらっしゃるので、作品としてわかりやすくて、
土の感じとしても、わかりやすいもの。
土祭はお祭りだから、神社に関連する作品にしようと思いました。」
もうすでに、ガス窯で焼成してあるそうです。

益子の原土を継ぐ 宮田竜司さん

原土について伺ってみました。
「この徳利や、片口は、原土で作りました。
いつも原土は使っているので、成形はしやすかったです。
成形をしやすいように、土作りをするのが大事です。
なので、他の土と変わりませんよ。
土もので作る時は、原土を使用しています。」

益子の原土を継ぐ 宮田竜司さん

某ギャラリーに並んでいる宮田さんの作品は、磁器と粘土を使用した作品。
磁器と粘土、両方の作品を作り続ける意図とは?
「石ものか、土もの、どっちかに統一しろと言われたりもします。
でも、磁器を扱うと、ひきにくさもあって、ろくろの技術の向上にもなるのです。
白地に、絵付けするのも勉強になりますしね。
絵付けは、全くの独学です。」
磁器に描かれてある絵は、故郷を思い出させるような絵。
小さい頃から、縁があった益子の里山がモデルでしょうか。
懐かしさと、ちょっと切なさもある、そんな絵でした。

(土祭広報チーム 仲野 沙登美)

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