夜行バスに揺られ池のほとりへ|大田高充

2009年からご参加いただいている、京都在住の大田高充(おおたたかみつ|メディアアート)さんが
夜行バスに揺られて宇都宮経由で、梅雨の合間の晴れ間がのぞく益子町へ。


「この前に来た時とさすがに景色が変わりましたねー」と、伸びた草地の間に隠れてしまってる道をたどり
向かうのは、今回の展示場所である、円道寺池。

陶器店が並ぶ城内坂の通り・益子焼共販センターの向かい側の道を東南の奥へと歩いて数分。
高館山を中心とした益子県立自然公園「益子の森」から続く麓に広がる池。

その半分ほどが森からの日陰となり、冬場は凍ることもあるそう。
昨年11月に開催した「城内・一の沢地区のつどい」でも、ご参加のみなさまから
「葉タバコの生産がさかんだった昭和30年代前までは、冬の間に氷を作り切り出していた」ことや、
「町のみんなのスケート場で、全面には氷が張らないから、水面との境目をすべるのは怖かった〜」
などの思い出話が出ていました。

池の底に積もった泥。ほんのすこし、竹ですくってみました。
この池を展示会場に選んだ大田さんは、その理由のひとつを
「いわゆる名所や歴史的な建造物ではない、どこにでもありそうな普通の場所にこそ、
みんなの記憶の共通項が見出せるし、そういう場所に僕の展示を成立させていきたいと考えて」と語ります。


展示のシミュレーションも。

京都在住ということもあり、なんども足を運ぶことができない大田さんですが
ご自身も故郷の町で昔話の再話に取り組んだ経験もあり、積極的に地域の話を集められています。
「地域ごとに風土・風景を読み解くプロジェクト」のアーカイブ:城内・一の沢地区基礎資料を丹念に読み込み、
廣瀬ディレクターにも電話で聞き取りを行っています。
明日の日曜には、円道寺池で桜の植樹や環境整備を行っているボランティア
「花の会」の草刈り作業に合流、そして地域の先輩たちに聞き取りを行います。

円道寺池がある城内地区では、地域の方達が
円道寺周辺も通る「おすすめの散策ルート」を検討中です。

歩いて、見て、体感して、歩いて、聴いて……益子の土地性・風土性を五感で体感していただくのが、土祭です。
どうぞお楽しみに。

大田高充

タイトル|未定:「今回、現場で感じて受け止めたことをもとに決定します!」
会場|城内 円道寺池

(土祭事務局 簑田)

 

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