プログラム

展示|「益子の原土を継ぐ」

展示|「益子の原土を継ぐ」

日時|9月13日[日]~28日[月]毎日9:30~17:00
会場|陶芸メッセ・益子内 旧濱田庄司邸(城内)
参加作家|阿久津雅土・岩下宗晶・岩見晋介・岩村吉景・大塚一弘・大塚誠一・加藤靖子・加藤弓・川崎萌・川尻琢也・郡司慶子・近藤康弘・庄司千晶・白石博一・菅谷太良・鈴木稔・中村曙生・中村かりん・萩原芳典・古田和子・宮沢美ち子・宮田竜司・村澤享・若杉集

窯業の発展を支えた益子で採れる原土(つち)。日頃は触れる機会の少ないその原点を再確認すべく、陶芸、染織、左官、絵画、日本画の作家24名が、自ら赴いて調達した3種類の原土を自らの手で創作に活かすことを試み、旧濱田庄司邸で展示を行います。
多層に重なる益子の原土の成り立ちと、これまでの原土のあり方を知るとともに、作家個々の想像する力、具現化する力を膨らませ、益子の原土を継いで行くことは、きっと産地の豊かさにも繋がるはず。そんな思いから「益子の原土を生業に生かし、それぞれ飛躍する」という希望を体現すべく、作家たちは制作の過程で何度も集い、それぞれの経験と記憶を元に熱い言葉を交わしています。対話を重ねることで、原土を通してこの土地のことを知り、原土の可能性を広げながら新しい表現に挑みます。

<旧濱田庄司邸>
濱田庄司が母屋兼作業場として使用していた建物です。江戸時代後期に、隣町の市貝町市塙で建築され、その後、茂木町に移築されたものを、濱田が気に入り、買い求めました。昭和5年に自宅敷地内に移築し、母屋として使用。国内外から濱田を募って訪れる訪問者たちとの交流の場でもありました。また、囲炉裏のそばには、蹴ロクロと手ロクロがあり、長屋門内の仕事場や細工場とともに、作陶の中心になっていました。平成元年、陶芸メッセ・益子内に移築保存されました。今回の土祭では、「継ぐ」というテーマの企画を陶芸メッセ・益子内を中心に展開します。

阿久津雅土

阿久津雅土

「土つくりから轆轤をひいて、それに対するリアクション。あとは火まかせ。窯からでたものを観察してリアクション。」

あくつまさと
陶芸家。1976年益子町生まれ。益子町小泉在住。1999年栃木県立窯業指導所伝習生修了。2000年同釉薬科研究生修了。2002年第4回益子陶芸展・審査員特別賞。

岩下宗晶

岩下宗晶

「土の様々な表情を見て感じてもらえる作品にしたいと思います。」

いわしたむねあき
「3種類の原土を前にしてまず『どんな土だろう』と思い、幾つか器を作ってみた。それぞれの土の性格に少し触れた後、違うアプローチの仕方はないかと考え、泥漿で扱い、それぞれの土の色を表現することにした。」

岩見晋介

岩見晋介

「3種類の原土を前にしてまず『どんな土だろう』と思い、幾つか器を作ってみた。それぞれの土の性格に少し触れた後、違うアプローチの仕方はないかと考え、泥漿で扱い、それぞれの土の色を表現することにした。」

いわみしんすけ
陶芸家。1964年東京生まれ。益子町山本在住。多摩美術大学絵画科卒。1995年益子へ入り、4年間の修業の後、現在地に築窯独立。韓国、米国、英国など、国際陶芸祭や交流展に多数参加。2007年よりカンボジアでの釉薬陶器技術移転プロジェクトに関わり、現在に至る。

岩村吉景

岩村吉景

「3種類の原土を、それぞれ違う方法で粘土にして作り、土肌の違いを出す。」

いわむらよしかげ
陶芸家。1974年東京生まれ。益子町道祖土荒久台在住。1991年栃木県窯業指導所伝習生修了。1992年研究生修了。1995年現在地に築窯。「北郷谷新原土会の参加を機に益子の原土に魅了され、自分で原土を水簸し粘土を作り、益子の土で製作しています」

大塚一弘

大塚一弘

「益子の原土で今までの仕事と違った新しい表現が出来るか楽しみです。」

おおつかかずひろ
陶芸家。1966年益子町生まれ。益子町道祖土在住。1986年清窯(きよしがま)2代目。2014年伝統工芸士認定。

大塚誠一

大塚誠一

「地方地方に様々な土があり、その性格もまた様々です。焼き物屋としてはその『様々』が面白く興味深いのですが、益子に自分がある以上、やはり地の土に腰を据えたく思っています。粘土は堆積物で、ここ益子の土も太古の湖底に堆積したもの。石が風化し、流され、埋もれ、積もる。その自然の土を使いこしらえて、自然なものができればと日々、願っております。」

おおつかせいいち
陶芸家。益子町城内坂在住。1981年益子大誠窯に生まれ。1997年茂木高校入学。1998年アメリカモンタナ州のハミルトン高校に単年留学。1999年東北芸術工科大学入学。2004年丹波柴田雅章氏に4年間師事。2008年大誠窯で仕事を始める。

加藤靖子

加藤靖子

「にんげん以外の生き物たちは、なんて話をしているか分らないけども、けなげで一生懸命いきていてとてもいとおしい。なかでも虫は、時ににんげんよりもとても惹かれます。その存在、自然界の色彩、動きかたに。」

かとうやすこ
絵描き。1981年、益子町生まれ。上大羽在住。2004年文星芸術大学日本画専攻卒業。益子町の年2回の陶器市に毎回少しずつ絵を飾るように。2010年から本格的に絵描きの活動をスタート。「今は色鉛筆で絵を描いています。イグアナがよく出来ています」

加藤弓

加藤弓

「益子の土で益子に棲む動物たちを作ります。今ぱっと思いつくのはフクロウと猪。先日、やっと膝くらいまで伸びてきたトウモロコシを猪くん達に齧られてしまいました。ショックだけどどうしてそんなことをするのか、色々勉強しながら作ろうと思います。」

かとうゆみ
陶芸家。1971年、埼玉県生まれ。益子町山本在住。「土祭の展示では、益子に棲む生き物達を益子で採れた様々な土を使って表現します」

川崎萌

川崎萌

「自分の普段の仕事を、益子の土を使い、焼き締めた土の色で表現してみたいと思います。」

かわさきもえ
陶芸家。1975年鹿児島県屋久島生まれ。益子町小宅在住。2000年鹿児島市窯業所技術課程修了、益子町に移住、益子町窯元勤務。2005年益子町にて独立。

川尻琢也

川尻琢也

「益子の原土を登り窯で焼くとどうなるか。薪の火に耐えられるか。火色は、窯に聞いてみようと思います。そして見る人に、登り窯や土について、少しでも興味が湧くきっかけになるような表現ができればと思います。」

かわじりたくや
陶芸家。1983年、益子町に生まれる。益子町城内在住。2007年、沖縄県読谷村・北窯 與那原正守氏に師事。與那原工房で3年間働く。2010年、益子の実家にて川尻製陶所を始める。以後、益子陶器市に毎回出店。静岡手創り市、アースデイマーケット出店。オーガニックレストラン&カフェ シャロム(安曇野)、KAJIYA(四賀村)、Tribal Arts(名古屋)展示。

郡司慶子

郡司慶子

「普段は身近にある材料を使っていますが、今回はこのお話をいただいたので、益子の原土で作ってみるということを試みます。」

ぐんじけいこ
陶芸家。福岡県生まれ。益子町西明寺在住。多摩美術大学絵画学科油絵専攻卒業、栃木県窯業指導所などを経て、夫の郡司庸久氏とともに栃木県足尾に築窯。2015年益子に拠点を移す。

近藤康弘

近藤康弘

「道祖土公民館の集いに参加し、昔の里山は裸足で歩ける程綺麗だったという話に興味を持ち、それは子供らが生活の煮炊きのため、近場から順に薪として持っていっていたという話になるほどと思いました。暮らしと自然がもう一度少しでも近づける為、気軽に好きな場所で煮炊き出来る竈を作ろうと思いました。」

こんどうやすひろ
製陶業。1978年大阪生まれ。益子町大平在住。2004年榎田勝彦氏に師事。2009年益子町にて築窯、独立。地域で採れる原料を使っての焼き物づくりをこころがける。北郷谷原土会所属。

庄司千晶

庄司千晶

「益子の原土に出会って約10年。その美しさと、自分の表現したいこと。クロスするポイントが、なんとなく、うっすらと、見えてきたような気がします。今回はその地点を追ってみたいと思います。」

しょうじちあき
陶芸家。1973年東京生まれ。益子町大沢在住。鋳込技法を主に用い、磁土のうつわ、オブジェ制作に取り組むかたわら、益子の原土に興味をもち実験を重ねている。土祭2012「益子の土を用いたそれぞれの表現」に参加。

白石博一

白石博一

しらいしひろかず
左官屋三代目。1972年茨城県古河市生まれ。茨城県古河市在住。左官の伝統技術を軸に自身で試行錯誤した工法を織り込む。近年は国重要文化財の復元、修復を多く施工。伝統漆喰、土壁を得意とし、益子桜土などを用いて公共的な施設にも左官壁を提案する。依頼主との対話を重視。
菅谷太良

菅谷太良

「益子の土は、他の産地の土と比べると『癖』があり、使うのにはある程度の『勘』が必要です。でも、その反面『癖』が益子原土の面白い所でもあります。濱田庄司先生は、それを作品に生かした最初の陶芸家だと思います。今回は、土を強引に手なずけるのではなく『土のなりに』自然体で、土と戯れたいと思っています。」

すがやたかよし
陶芸家。1978年京都に生まれ、埼玉県日高市にて育つ。益子町大沢在住。益子の土で「粉引」による白い器を中心に制作。「毎日の生活で使ってもらえて、使う人と共に成長できるような器作りを目指しています」

鈴木稔

鈴木稔

「普段から北郷谷原土を使用しています。最近は『祈り』と『命』をテーマに人物像、オブジェ、器を制作しています。赤土とボクリ土もそれぞれ単味で使用し焼いてみようと思います。」

すずきみのる
陶芸家。1962年埼玉生まれ。益子町芦沼在住。益子で産出する陶土を自ら精製して粘土をつくり、石膏型を用いて成形し、雑木や藁を燃やして作った釉薬をかけて、薪を燃料に窯で焼成。「源流と現代とを融合させた器の製作を行っています」

中村曙生

中村曙生

「土の持つことなる色を顔料として用い、同系色の土色を生かす為、藍も取り入れて飾布制作を試みます。」

なかむらあけみ
藍染作家。栃木県宇都宮市生まれ、益子町北郷谷在住。共立女子大学短期大学部卒業、桑沢デザイン研究所Ⅱ部グラフィック科修業。1976年益子町日下田博氏に師事し藍型染めを学ぶ。1983年益子町にて独立。藍発酵建てを主に草木を用いて染色。

中村かりん

中村かりん

「土に触れることを日常にしたくて、仕事にしたくて益子に来て七年。ただただつくることに夢中でした。今のタイミングで、益子に居る意味や益子の土ときちんと向き合いたいです。その先に見えるものがあると思っています。」

なかむらかりん
陶芸家。益子町七井在住。2008年栃木県立窯業技術支援センター入所。2010年同所修了。益子町にて独立。

萩原芳典

萩原芳典

「これまで高火度焼成をしてきたが、今回は低火度焼成をして益子の粘土を使い、今までと違う柔らかい作品を作りたいと考えている。」

はぎわらよしのり
陶芸家。益子町一の沢在住。1974年、はぎわら窯5代目として生まれる。1993年、栃木県窯業指導所伝習生修了。1994年、栃木県窯業指導所研究生修了作陶を始める。1998年より個展、グループ展年数回を行い、これまで国展にて入選、入賞する。ボストンにて個展とワークショップを行う。

古田和子

古田和子

「高館山にある大きなアカメガシワの木。そこに、渡り先に向かうための休息をしにキビタキの群れが集まっていたという。アカメガシワの黒い実は彼らの栄養源である。しかし、大きなアカメガシワの木は、その命を全うし息絶えた。それから、キビタキの群れの数は減っていった。しかし、近年になってメスのキビタキが帰ってくるようになった。彼女たちはきっと何かを求めてこの場所に帰ってくるのだと思う。それは、遠い追悼の記憶にある愛しい彼らかもしれない。ふるさととは、愛しい記憶を想起させる場所だとするならば、彼女らの行動は、ふるさとを求めるものかもしれない。益子に訪れると、かつての体験した、もう得ることない愛しい記憶が想起される。わたしが益子に感じるその感情は、キビタキのそれと同様なのだとおもう。」

ふるたかずこ
日本画家。1985年東京生まれ。山形県山形市在住。2013年東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース卒業。2015年東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻日本画領域修了。

宮沢美ち子

宮沢美ち子

「それぞれの土色を、そのまま生かす表現を試みます。」

みやざわみちこ
染織家。益子町北益子在住。1991年真岡木綿保存振興会にて講習を受ける。1995年真岡木綿技術者の認定を受ける。1996年自宅にて染め、織りを始める。1991年から2000年益子陶芸村の◯△□展。2007年から2015年益子もえぎ本店にて毎年個展を開催。「柿渋染を主にあらたな土染めに挑戦。素材を生かした染め、織りを心掛けています」

宮田竜司

宮田竜司

「益子の原土、土地の持つ力。土の持つ力。力を引き出し、自分の力を加え地域に根付くような品格のあるものを展示できればと考えています。自分自身でも土の持っている力とは何なのか考える良い機会です。」

みやたりゅうじ
陶芸家。1976年東京生まれ。益子町小宅在住。1999年高内秀剛に師事。2006年益子に独立築窯。2012年から2013年まで、国展入選。個展を中心に活動している。

村澤享

村澤享

「3種類の原土を使って益子で産まれる陶器として、また自分の中での新しい表現が出来ればと思っています。」

むらさわとおる
陶芸家。1979年益子町に生まれる。益子町道祖土在住。村澤陶苑の5代目。「益子の素材を使い日常的に使う食器や花器などを作り、ガス窯、登り窯を使用し使いやすい形や色を考え作陶しています」

若杉集

若杉集

「今まで益子の各所の土で『焼締急須』を作り、焼成環境を工夫して様々な色合い・表情を出すことに努めてきました。今回のプロジェクトではより緻密な、あるいはよりシンプルな仕事や形で土に対峙してみたいと思っています。」

わかすぎしゅう
陶職。1948年埼玉県浦和市生まれ。益子町北益子在住。1973年千葉大学工学部工業意匠学科卒業。1977年益子町北益子に築窯し独立。1987年頃から焼締急須を中心に制作。2004年第5回益子陶芸展濱田庄司賞受賞。2012年の土祭では「益子の土を用いたそれぞれの表現」に出品。

展示構成ディレクター 田賀陽介

展示構成ディレクター 田賀陽介

たがようすけ
環境計画家。1964年岐阜県各務原市生まれ。東北芸術工科大学デザイン工学部准教授。「美術や地域景観を意識して自然環境と折り合いをつける暮らしのデザインを専門としています。古い日本映画に映しだされる場面や風景、料理の素材が私の仕事の核になっていたりするところもあります」

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