土人形づくりワークショップ レポート|土から神様を。
7月31日、8月1日に益子町道祖土(さやど)、KENMOKU広場 土空間ギャラリーで土人形を作るワークショップが行われた。
会場は、元は益子焼を作る細工場だったところで、とても趣のある建物。
土間になっているので、外は真夏の太陽が照りつけているが、中は少しひんやりしていた。
どうやって作るの?
子どもから大人まで20人程が集まり、陶芸家の見目木実さんと大塚一弘さんに教えてもらいながら、それぞれが1体を仕上げていく。
事前に準備された板状の粘土を空き缶に巻いて体を作る。
それに穴を開けて目や口にしても良いし、手や耳を付けても良い。
つまんだり、彫ったり、貼ったりと、思い思いに手を動かす。
土に触れる。アイデアを出し合い、響き合い、創造する。
ある家族は妹が花の冠を、兄は火の冠を作る。
耳飾りを付ける人、なめらかな表面に仕上げる人など、それぞれが土に没頭する。
自由な制作過程の中で、講師の大塚さんが一つだけ設けた「キャラクターに似たものは作らないでね」というルールなんて必要ないくらい、それぞれの土人形を生み出している。
よく「土祭って何をするの?」という話を聞くことがあり、自分でも考えてみるが、参加者のひたむきに土と向き合う姿を見て、とてもシンプルに“土に触れること”も大切な要素の一つなのかもしれないと感じた。
土人形って何?
2009年の第1回の土祭の土人形作りから関わってきた講師の見目さんと大塚さんに参加者と共に3000体以上作り上げてきた中で、土人形をつくる意味や目的を尋ねた。
「人形とは神様。それを土から作り出す。
そして、それぞれの家庭に持ち帰って、守り神とする。」と大塚さん。
「今、コロナ渦にあっては疫病退散の祈りも込めている。」 と見目さん。
「人形=神様を作る行為は、神事=祭りでもある。」 と大塚さん。
やきものを作る工程で出る削り土から作り出された粘土。それを使って生まれる土人形。
作って終わりではなくて、人びとが願いを込めることによって、さらに見る者へと伝わって行くのだろう。
「この土人形づくりもその時代に合わせて進化していけば良い」と二人は話す。
参加者が作った土人形はこの後、乾燥させ、窯で焼き上げられ、10月初旬には手元に渡る。
また、見目さんや大塚さんや土祭スタッフが作る土人形は完成の後、土空間ギャラリーで展示される予定です。
次回の土人形づくりワークショップ日程
10月16日(土)14~16時
10月17日(日)14~16時
各回とも募集人数は20人、参加費は一人1000円で要予約
募集期間は9月1日から10月11日まで
土に触れる土祭に参加してみませんか。
(土祭2021 レポーター 横溝夕子)