日本遺産かさましこセミナー|第3回 中世編「『かさましこ』の原点、中世の笠間氏と益子氏」レポ

日本遺産かさましこセミナーが行われました!

日本遺産かさましこセミナーは今回で3回目。
今回は宇都宮短期大学人間福祉学科教授の江田郁夫さんを講師に迎え、ご講演いただきました。
すっきりとした秋晴れの昼下がり、つかもと迎賓館に約20名の参加者が集いました。

“かさましこ”とは?

2020年6月19日、笠間市と共同で文化庁に申請した「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」が「日本遺産」に認定されました。
そして土祭2021では、そのストーリーの内容を転換期ごとに大きく3つ(古代編・民藝編・中世編)に分けてセミナーを開催しました。

“かさましこ”についての詳細は以下のリンクをご参照ください!
https://kasamashiko.style/

「かさましこ」の原点、中世の笠間氏と益子氏

講演は、現在の宇都宮市を本拠に約500年間にわたって活躍した武士団、宇都宮氏の話から始まります。
宇都宮氏は文武、信仰面でも全国的な知名度を誇った名門武士団であり、
その子孫に笠間一族、郎従(家中の家来)に益子一族が位置していたそうです。
詳細な流れは省略していましますが、中世では笠間氏と益子氏はつながりが強く、
どちらも宇都宮氏に仕えていた立場でした。
しかし、豊臣秀吉の政策により“かさましこ”は解消されてしまったと考えられています。

話の折々に地図や絵巻の補足があり、義務教育の“歴史”をこなすことで精いっぱいだった理系学生の私でも、楽しみながら学ぶことができました。
知っている場所・地名と、知らなかった過去が交差していく感覚は、とても新鮮で面白かったです!

詳しい内容は、江田先生が執筆された『中世宇都宮氏 一族の展開と信仰・文芸』に詰まっておりますので、気になった方はご参照ください。

さいごに

今回の取材で、“かさましこ”の源流が約800年も前から流れていることを知りました。
戦国時代に一度は繋がりが途切れたものの、『焼き物』などを通じて再びつながることができたことに、ご縁を感ぜずにはいられません。

冒頭に江田先生は、
「“歴史”を知ることで、今の“かさましこ”をより楽しむことができる」と、おっしゃいました。
“むかし”を知ることで、日々の風景の見え方が変わってくるのですね。

日常に新しい視点が生まれる。
まさに、土祭2021のテーマである『未知の日常』のひとつだと思います。
みなさんも散策のお供に、地域の歴史を調べてみてはいかがでしょうか?

(土祭2021レポーター 金敷奈穂)

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