ウィンドウアート・レポ|小野優子さんと描きました!

 この春から、益子の町のところどころに出現している「ウィンドウアート」。

大きな窓いっぱいに描かれた様々なタッチの絵は、その周りだけ空間が変わったかの様。

今回はその6か所目、道祖土バイパス通り沿いにありますCafe Novelさん東側建物(益子町益子3355-1) でのウィンドウアート制作の様子をお伝えいたします。

当日(7月3日)は朝まで降っていた雨が上がり、共同制作が始まる頃には青空も見えてきました。

今回のクリエイターは小野優子さん。6月30日まで展示されていた道の駅の作品(http://hijisai.jp/blog/2021hijisai/public_relations_project/9878/)に続いて2か所目のウィンドウアートです。

ワークショップのはじまりは、今回の絵のテーマの紹介から。

横長の大きな窓に描くのは、焼き物の町が舞台になった「白雪姫」と「赤ずきん」をモチーフにした絵です。

登場人物や背景・小物などがたくさんあるので、色を塗る場所もたくさん。参加者みんなでがんばって描いていきましょう!

 

窓ガラスに絵を描くなんて、ワクワクするような、それでいてちょっといけないことをするような複雑な気持ちなのでしょう、当初は少し緊張したような面持ちでおそるおそる小さく手を動かしていましたが、それもわずかな間だけ。

色をつき形が見えはじめるころには、みんな夢中になって手を動かしていました。

そう、ウィンドウアートは、見る楽しさと同じかそれ以上に、「描く楽しさ」のあるアートなのです。

そうそう、「後のことは考えなくていいので、のびのび描けますね(笑)」という保護者の方の声もありました。

 

ウィンドウアートは、屋外と屋内両方から描くこともできます。

参加者の皆さんが塗っていく色と、小野さんが描いていく線が混じり合うことで、絵がどんどん表情豊かになっていきます。

大きな「キャンバス」相手に体いっぱい動かすこと2時間ほど。

窓に童話の世界が広がりました!

そして、「ガラスのあっち側とこっち側は、雰囲気が違って不思議」というお話を聞いて、実際に屋内と屋外を行ったり来たりして見てみると、確かにそうです。

反射光と透過光の…とか色の重ね順が…という理屈はさておき、見る場所や距離によって色々な見え方をするウィンドウアート。(可能な場所では)ぜひ中と外の両方で鑑賞される事をお勧めします。

作品が出来上がった後、小野さんにお話を伺ってみました。

・大人数で一つの作品を作るというのはいかがでしたか?

「みんなが参加して、みんなでつくるというのがいいですね。」

 

・子どもたちの絵も素敵ですね。でも、今はあんな風に描けないんですよ…

「そうですね。子どものころのような絵は、いつの間にか描けなくなってしまいます。でも、こうした大きな絵を描くと、大人でも子どものような大胆な描き方ができたりしますよ。」

 

・2回目の制作ですが、こういう場所に描くのには慣れましたか?

「他のところと違って三面あったのが、大変といえば大変でした(笑)」

今回制作の場に参加してみて、描く楽しさとともに思ったのが、「アート」って何だろうということ。

有名な作家がつくった。高値がついている。そういう価値観で決めるものではなく、その作品と向き合ったときに、楽しいとか苦しいとか、色々な感情を引き起こしてくれるものが本来の「アート」なのかもしれない、そしてその意味では、見る人に楽しさやワクワク感を生んでくれる今回の作品は、間違いなく「アート」なんだと思っています。

土祭期間中には、小野さんの作品を含めいくつかのウィンドウアートが益子の町に出現しています。町を巡っているときにどこかで出会ったら、一体どんな感情が湧いてくるのか、ぜひ立ち止まって眺めてみてください。

 

(土祭2021レポーター:鈴木利典)

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