[1]上大羽・栗生地区の風土・風景を読み解くつどい

[読み解くつどいは…]

3回目の2015年に向けて、わたしたちは町の風土をいまいちど知り、
町のみんなで共有していくところから始めよう、と
今年の6月に「益子の風土・風景を読み解くプロジェクトをスタートしました。
その中で、土祭風土形成ディレクターの廣瀬俊介先生と地域住民のみなさんと一緒に、
地域ごとの「風土・風景を読み解くつどい」を開催することにしました。
町内を13の地域にわけ、10月から来春にかけて、全13回のロング・ツアー!

「つどい」では、事前に、廣瀬先生と事務局で、地域のお年寄りの方々からお話を聞いたり、
地域リーダーさんたちとフィールドワークを行い、地域の「風景」やお話や資料などからを
「風土」読み解くためのスライドを作成します。
当日の会では、『土祭読本』で中間報告がなされた益子町全体の解説から始め、
後半では、その地域の固有の特徴について、スライドを見ながら、
また、地域の方がお持ちいただく古い写真などを皆で囲みながら、
廣瀬先生と地域の参加者のみなさんが、意見交換や情報交換のおしゃべりを交わします。
そこで浮かびあがる地域の風土性を皆で共有し、あらたに浮かび上がる「謎」「疑問」について、
廣瀬先生を中心に継続して調べ、来春以降に、ふたたび報告の場を設けていく予定です。
また、こうしてまとめていく内容は、土祭に参加していただく作家や関係者のみなさんにもお渡しし、
あらゆる企画や表現の土台としていきます。

[上大羽・栗生地区は…]
第1回は、10月19日に、上大羽(かみおおば)・栗生(くりゅう)地区で開催。今回は、そのご報告を。

雨巻山や足尾山などの麓に、大羽川と栗生川に沿って開けた谷筋のエリアであり、
『益子の文化財』(下野新聞社 雨宮義人編著)では、「東の山麓と西の山麓に、地蔵院・尾羽寺跡・宇都宮家の墓など多くの寺院があることは、京都あるいは飛騨の高山の地形をごく小さくしたかたちを思わせる」と記されています。
2012年の第2回土祭では、綱神社でサウンドインスタレーション、鶴亀の池(かつての浄土庭園のなごり)周辺では、建物プロジェクトと鶴亀食堂を開きました。

では、当日の会で用いられた50枚近い廣瀬先生作成のスライドの中から、上大羽と栗生地区の特徴を語る2枚をご紹介します。

 

 

このほかに、廣瀬先生からのスライドやお話で提示された
「五輪の塔を含み12の石の祠が並んでいる土地」「栗生川の河道の移り変わり」「山水を温め田に導くテビクロ」
「局地的な気象変化」「かつての鉱山と洞穴」「虫おくりの習わし」などについて、
子どもの頃の思い出話も交えながら、にぎやかに、時には熱く、さまざまな話が飛び交いました。
「雑木林に比べて、檜の林から染み出る水は冷たい」という年配の方の話では、若い世代の参加者が初めて聞く知恵にうなづき、この地域の湧水で見られるホトケドジョウの話題では、「このあたりでは、ババスコと呼ぶんだよ」との話題で盛上がりました。

第2回として、10月25日に西明寺地区のつどいを開催しました。追ってご報告します。

第3回は、11月17日に城内・一の沢地区を予定しています。 (土祭事務局)

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