[8]小宅地区 風土・風景を読み解くつどい 2/14

2月14日に小宅西公民館にて開催した、益子町北部に位置し、益子焼の釉薬の原料となる
芦沼石を産出する小宅地区の「風土・風景を読み解くつどい」。
廣瀬先生作成のスライドを一部紹介しながらご報告します。

[小宅地区スライドNo.20]

現在では専ら窯業用として、屑石を粉にしたものが利用されている芦沼石ですが、
昭和20年代までは建材として採掘され、大谷石と同じように使われていました。
それを物語るものとして紹介されたのが、この地区にある西坪古墳群の石室に使われている石。

[小宅地区スライドNo.21]

遠い昔から営まれてきた石にまつわる仕事は、この地区での採掘がなされなくなってからも、
大谷石などの加工に軸足を移して続けられてきました。
かつて石の加工に携わっていた岡本光一さんに聞き取りに伺うと、思いがけず
「コンニャクを栽培して手づくりコンニャクをつくっている」という情報が。

[小宅地区スライドNo.39]

これを「つどい」の場で紹介したところ、会場からは「家の裏の山に生えている」
「この土地に生えているものは、量はとれないが病気にかかりにくい」といった声が
次々と上がりました。

さらに、廣瀬先生がコンニャクを他の随伴作物と共に育てる自然生(じねんじょう)
栽培について話題にしたところ、随伴作物としてのチャの栽培の話で大いに盛り上がり、
地域で受け継がれてきた知恵を共有する機会となりました。

[小宅地区スライドNo.45]

また、岡本さんが使わなくなったかつての飼料畑に「荒れたままにしておいては先祖に申し訳ない」
とクヌギなどを植えていることも紹介。

[小宅地区スライドNo.38]

このような自主的な環境整備は、個人としての取り組みにとどまらず、地域の方々が集まって大規模に
取り組んでいる事例もこの地区に。
亀岡八幡宮の敷地に18基もの古墳が残る小宅古墳群の周辺では、中山正夫さんを中心に、氏子青年会と
里山の会が草刈りや400本もの桜の植樹、そして菜の花の栽培に取り組んできました。

[小宅地区スライドNo.57]

菜の花の栽培は、花を見るだけでなく、蜜を採ったり摘んで食べたり、油を搾って搾りかすを
堆肥にするところまで視野に入れています。
このことを紹介すると、中山さんが「ここにある財源は土地だけだから、土地を2倍に使う
二毛作のためにナタネ栽培を推奨したい」という考えを語ってくれました。

[小宅地区スライドNo.59]

また、有機農業に取り組む床井剛さんの「農業を守ることが地域の共同体を守ることに強く関係する」
という考えや、「芦沼のササラ」と呼ばれる獅子舞の継承に取り組む森嶋茂さんの
「同じ地区に生きる人のつながりを保つ手段として獅子舞がある」という考えも紹介。
会場では活発な意見交換が行われました。

これを踏まえて発せられた、「これで小宅はやっていけそうか?」との問いに対して、廣瀬先生からは
現在の方向性を「とても好ましいですね」と評価しつつ「他の地区との連携も模索してはどうか」との
助言がありました。
例として挙げられたのが、菜の花油についての田野地区での取り組み。

[田野地区スライドNo.76]

それぞれの地区の魅力を磨いていくために、地区間での連携のきっかけをつくっていくことも、
土祭が果たすべき役割の一つです。

…………
土祭本番の2015年度が、いよいよ始まります。

4月の「つどい」は…
大沢・北中地区 4月14日(火)18:30-20:30 あぐり館にて
七井地区    4月28日(火)18:30-20:30 あぐり館にて

ぜひ、ご参加ください。   (土祭事務局 今井)

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