風土からの「食」、薬師堂の焼き饅頭
土祭2015「土祭の食」プロジェクトも始動しています!
「食」も、もちろん土祭の方針「先人の知恵を今に引き継ぎ、今にわかちあい、次代に繋ぐ」
このことを大切にしたいと考えています。
その取り組みのひとつとして、昨年より続く、「風土・風景を読み解くつどい」の聞き取り調査の中で
昨年11月に伺った「薬師堂にお供えする焼き饅頭」を、
田野地区東田井で農業を営んでいる高松靖子さんに教えていただくことに。
益子町を南北に流れる小貝川の西の山の麓に薬師堂があります。
「年に一度、毎年6月10日に薬師堂を開け掃除をし、お花を添え綺麗にしたら
薬師堂にお饅頭を添えるんです。そのお饅頭は、小さい大判焼きのようなものですね。
私のお婆ちゃんから聞いたんだけど、焼くための銅でできた型は、
私のお婆ちゃんの、お婆ちゃん。その前から使っていると聞いたの、だからその型は、
200年くらいは使っているのかな、それに中に入れる餡子は、
砂糖が貴重だったころは塩を入れて塩餡を作っていたの…。」という話を聞きました。
その話を聞いてから約半年。
今回は自然育児の大切さを伝え合う活動をしている、益子自然育児の会おむすびの里の代表の
松永レミさんと一緒に、高松靖子さんの家にお邪魔をして、薬師堂の焼き饅頭作りを学びました。
「昔は塩餡だったけど、今はしっかり砂糖もいれているし、卵も生地にいれているわ。
私のお婆ちゃんは、皮を薄く作ってきんつばのようにつくったの。焦んないでつくれば大丈夫。」
と作りながら靖子さん。
気持ちのよい木々の枝葉を通る気持ちのよい光が注ぐ道を歩いていくと薬師堂があります。
1年ぶりに開けた薬師堂の中には薬師如来が佇んでいました。
靖子さんは丁寧に掃除をし、お花を添え、薬師堂にお饅頭を添えました。
土祭の食の取り組みもまた、先人からの知恵を受け継ぎ、次代の子供達に伝えていくものに。
このプロジェクトも、「食」にきちんと向き合い、
日々のことから大切にしている益子のお母さんたちと一緒に育てていけたらと考えています。
今後も「土祭食堂」や「夕焼けバー」に向けての取り組みをお伝えしていきます。
ご期待ください。
(土祭事務局 萩原)