土祭2015アルバム|ゲストハウスプロジェクト
前回の土祭2012では「土祭食堂」としてお客様をお迎えした、戦前に釉薬の試験場として
使われていたと伝わる城内坂路地裏の歴史ある建物「グレイズハウス」。
普段は空き家になっているこの建物を改修し、地域の方々とゲストハウスとしての活用を
模索するプロジェクトが始動しました。
そのテーマは「結び目をつくる」。
人と人、人と地域、そして地域と地域の「結び目」となる場づくりを目指して、
土祭2015会期中は、ご来場の皆様の憩いと交流の場として運営しました。
改修ワークショップを始めとする会期前の取り組みを含めて、写真で振り返ります。
2015年4月27日|改修前の調査
陶器市の出店場所として使われていることから、そのための資材などが置かれていた建物内。
建物所有者の方などにご協力いただいて片付けを進めながら、改修の構想を練っていきました。
2015年5月30日|横山左官の「土探し」
土祭の企画として建物を改修するからには、益子の土にこだわった「土の空間」をつくりたい。
三和土と土壁のワークショップの講師を依頼した横山左官の希望で、益子の陶芸家にご案内いただいて
改修に使う土を探しました。
2015年6月30日|解体・補強工事
土祭会期中やその後の活用を考え、玄関を入って正面の壁を取り払って広い土間をつくることに決定。
壁・床・天井の解体やそれに伴って必要となる補強などの工事は、安全性の観点からプロに依頼しました。
2015年7月31日・8月1日|三和土ワークショップ
材料を調合し、土間に流し込んで「たたく」一連の作業をワークショップ形式で実施。
実際に「たたく」体験ができる機会は珍しいとのことで、初めてという方からプロの方まで幅広く
ご参加いただきました。
2015年8月5・6・10日|土壁ワークショップ
益子の土と麦わらを混ぜて壁に塗り、乾燥してから掻き落として表情を出すワークショップを開催。
壁の下部には益子の陶芸家から譲り受けた釉薬の付着しているレンガを使い、「グレイズハウス」の名に
ふさわしい空間が出現しました。
2015年9月23・24日|モバイルかまどワークショップ
小沼左官の指導の下、卓上で使えてそのまま持ち帰ることのできる二合炊きのかまどをつくり、
「土の空間」をつくる左官技術に触れていただくワークショップを会期中に開催。
実際にモバイルかまどで炊いたご飯の試食も行い、「おいしく炊けている」と大好評でした。
2015年9月13~28日|会期中の活用
土間は光る泥団子ワークショップの会場として、座敷は益子の生き物などを紹介する展示の場として、
さらに玄関脇の受付は地元の城内地区の方による散策路案内などの拠点としてご活用いただきました。
「グレイズハウス」の今後については、ゲストハウスとして活用するには更に大幅な改修を要することから、
それ以外の選択肢も含めて、継続的な活用方法を探っていきたいと考えております。
(事務局 今井|写真 長田朋子 矢野津々美 土祭事務局)