竹ののぼり竿つくりワークショップ|のぼり竿が課題を解決⁉
今回の土祭では、コロナの影響で日程が変更になったり中止になったりしたプログラムがあります。
「竹ののぼり竿つくりワークショップ」もその一つ。当初、8月29日に開催予定でしたが、9月23日に延期、さらには感染者数の増加に伴い中止となりました。
でも、このワークショップの目的は参加者の製作体験だけではありません。町内にある放置竹林の整備という面もあります。
前回までの土祭でも地元産の竹が各所で使われていましたが、今回は材料集めという意味合いだけではなく、地域の課題解決や地域への貢献という土祭本来の趣旨に沿った取り組みとして企画されました。
もちろん、土祭ののぼり旗を付ける竿も必要です。
ということから、事務局を含む関係者のみの参加という形で実施されました。
当日は秋晴れ。汗ばむような陽気の中、集合場所の道の駅から竹林へと移動します。
周りの田んぼでは稲刈り作業が進められていました。
今回作業を行ったのは、このプログラムの企画者・大塚康弘さんが広報の回覧で呼びかけ、ご応募のあった竹林です。10年ほど前までは手入れされていたものの、それ以降はほぼ手つかずで、竹のほかクズやヤブガラシなども生い茂り、中を見通すことも難しいほど。お隣にもともとあった梅林の一部も竹の中に埋もれていました
作業はすべて人の手で行っていきます。
【タケはノコギリで】
【クズのつるは手で引っ張って】
【集めたタケは一か所に集めて】
休憩をはさみながら、また見学に来られたこの竹林の持ち主のご家族も途中から参加されて作業すること約2時間。
ずいぶんとすっきりしました。
タケに囲まれて外からよく見えなかった梅の木も、全体があらわになりました。
さて、切ったタケは旗竿に加工していきます。
電動ドリルであけた穴に細い竹を通し、
「土祭」の旗を結び付ければ出来上がりです。
※この旗も、一枚一枚手書きされたものです(http://hijisai.jp/blog/2021hijisai/create_field_space/10972/)。
土祭の期間中、こうして作られたのぼり旗が町のあちらこちらに設置されています。
住民の手で集められた素材が地元で使われ、またその活動が地域の課題を解消する一助になっている。それは「風土に根差した地域づくりの祭り」という土祭のあり方を現しているのと同時に、SDGsの目標の一つ、「陸の豊かさも守ろう(森林の持続可能な管理など)」にもつながる活動でもあると言えます。
よく見ると一つ一つが個性的なのぼり旗。いわゆる「展示」ではありませんが、「土祭」の理念を伝える大事な要素の一つなのです。
(土祭2021レポーター:鈴木利典)