ヒジサイノート 表紙制作プロジェクト- 矢津田 貴慧
- 飯山 太陽
- 加守田 琳
- 矢津田 玲理
- 小仁所 健太
1|趣旨と概要
益子町は陶芸や工芸だけでなく、さまざまな「表現活動」を行う人がいます。プロ・アマ、本職・副業、仕事・趣味、有名・無名・・・、そんなボーダーラインも軽々と超えて表現の営みを続けています。
今回の土祭2021では、「ひとのつながり」と「新しい創作活動や仕事づくりのきっかけ」を創出することを目的に、益子のクリエイターたちがメディアづくりに参加する広報プロジェクトを展開します。
そのひとつが「ヒジサイノート表紙制作プロジェクト」です。
土祭では、2009年の第1回から「公式ガイドブック」を制作していますが、今回は、新型コロナウィルス感染拡大によるさまざまな配慮などから、会期を秋に集中させるのではく、分散型の日程を組みました。それに伴い、紙媒体での情報発信も1冊のガイドブックにまとめることが難しいという問題が生じました。そこをポジティブに転換して生まれたのがこのプロジェクトです。「4月から会期中に、数冊の小冊子を(コストも落として)制作しよう。その数だけ、表紙制作に関わってくれる人も起用できる。益子の若い世代に、アートディレクターと協働してのメディアづくりに参加する体験の場を提供しよう。有償インターンシップ的な機会を創出しよう。」という趣旨です。
初めての試みなので、今回は公募という形は取らず、5名の方にお声かけさせていただきました。今後、「レポーター養成プロジェクト」や「ウィンドウアートプロジェクト」とともに、地方でのメディア制作の仕組みづくりやクリエイターズバンク的なネットワークづくりにつないでいけたらと考えています。
5名のクリエイターの表紙を、どうぞお楽しみに。
(広報ディレクター |LLP風景社 簑田理香)
2|イラストレーター紹介
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矢津田貴慧 Kie Yatsuda
ヒジサイノート01 テーマ「再生」を制作
1995年、益子町生まれ。陶芸家の父(矢津田義則)の影響で物心ついた頃から粘土で遊び、陶芸の道を志す。高校時代の美術の恩師、金工作家の広沢隆則氏から「陶芸以外も一度学ぶといい」との助言を得て、岩手大学と東京藝術大学(大学院修士課程)で鋳金と陶芸を学び、両者をミックスした独自の表現世界を探究している。益子が大好きで、大学院終了後は迷わず帰郷し、窯業技術支援センターへ。この春からは研究生として学んでいる。
2
飯山太陽 Taiyo Iiyama
ヒジサイノート02 テーマ「土」を制作
2000年、益子町生まれ。短期的な記憶に障害があるとされ中学校から特別支援学級で学ぶ。小学校の頃から絵を描き始めると何時間も夢中で制作に没頭するようになり、次第に独自の作風、世界観を築いてきた。2019年11月に益子町ヒジノワスペースで、2021年2月に足利市artspace&cafeで、「飯山太陽展」を開催し、多くの来場者を集めた。土祭2021では、ウィンドアートプロジェクトにも参加している。また、VOCALOID(ボカロ)を使って、作詞・作曲、そしてP Vも自作した作品をYoutubeアカウント「近未来的ノスタルジア」で発表している。
飯山太陽instagram https://www.instagram.com/Taiyoupoporu/
3
矢津田玲理 Reiri Yatsuda
ヒジサイノート03テーマ「手」を制作
2001年、益子町生まれ。小学校高学年の時に2011年の「前・土祭」で日干しレンガづくりを体験し、中学生の時は、土祭2015でのぼり旗に毛筆で「土祭」と書くワークショップに参加し、ものづくりのさまざまな体験を楽しんできた。2020年に岩手大学に進学し、社会科学部人文社会科学部の芸術文化専修で学ぶ。父(矢津田義則)と姉(貴慧)の影響もあり、専門課程に進む際には陶芸と鋳金を学びたいと考えている。大学で陶芸の講義を担当するのは益子で修行した経験がある講師ということもあり、特に楽しみにしている。
4
加守田琳 Rin Kamoda
ヒジサイノート04 テーマ「朝」を制作
2001年、益子町生まれ。陶芸家(父・加守田太郎)の家に生まれ、粘土に親しんで育つが、小さい頃から絵を描くほうが好きだった。中学の頃は画家として絵画制作を続けていく道を考えていたが、高校に進学してからは視野が広がり、自分がやりたいことは広告やデザインの領域にあることを自覚するようになる。現在は新潟県の長岡造形大の視覚デザイン学科で、音や映像にも関心を広げながら学んでいる。他の地域の友人と交流する中で、作家と出会う機会が多かった故郷・益子の環境の良さを実感している。
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小仁所健太 Kenta Konisho
ヒジサイノート05 テーマ「ひと」を制作
1983年生まれ。足利市生まれ益子育ち。友人たちと「たまねぎとにんじん」というバンドで活動していた時はオリジナル曲にこだわり、作詞・作曲も担当した。とにかく「自分で何かをつくりだす」ことが好き。2020年9月に、シルクスクリーンや刺繍を用いたオリジナル商品づくりなどを行う四々舎を設立。描くモチーフとして、以前は甕(かめ)や土瓶などの益子焼を選んでいたが、最近では、ごく普通の人の日常の姿に惹かれている。日常のひとコマを題材に、描きこみすぎず、余白のあるデザインを意識しながら描いている。
四々舎yonyonsya http://yonyonsha.com