七つの神社を巡る|仲田智さん(3)制作レポ|大胆かつ繊細に
作品の展示作業をされるということで、田野地区長堤の八幡神社に足を運んだのが10月10日。
いまだこの日は「体育の日」だと思ってしまう私ですが、もちろん普通の日曜日です。
それはさておき、神社に着くとすでに作業は始められていました。
アート作品の展示というと、ギャラリーなどの中で傾きや高さなどに気を付けながら、白い手袋をはめた手で繊細に作業する、という光景をイメージされる方も少なくないでしょう。
でも、目の前で行われていたのは、
鋤簾(じょれん)で土を掘って、
水準器で水平を確認する、
続いて
柱を立て、
掛矢(かけや)で打ち込み、
角度を確認しながら金具で留めていく、
という、力仕事と念入りな確認が入り混じった、まるで建築現場のような作業です。
元「体育の日」にふさわしい(?)展示作業に当たっているのは、仲田智さんとお手伝いの造形作家・横溝創(はじめ)さん。和気あいあいとした雰囲気の中で、作品を設置するための木枠が組み立てられていきます。
ちなみにこの木枠に使われている木材は、かつてどこかの建物で使われていたものたち。仲田さんの素材へのこだわり(前回のブログ参照)が、こうしたところにも感じられます。
そうこうしているうちに、枠が立ち上がりました。
私の都合で残念ながら作品が設置されるところまで居られなかったのですが、それでも参道に置かれたこの枠だけでも、既に作品としての気配が漂っています。それは、設置する作業ひとつひとつに込められた「想い」が伝わるからかもしれません。
△この後、この「扉」が設置されます。これを運ぶのも力仕事でした。
さて、ここにあのアトリエに置かれた作品が納まった時、果たしてどんな景色が見えてくるのか。
次回のレポートで、しっかりとお伝えしたいと思います。
(土祭2021レポーター:鈴木利典)