28 サウンドインスタレーション「from the Sacred Forest /しんれい」 川崎義博

28 作品展示|綱神社|道祖土・大羽 土と水のエリア

サウンドインスタレーション「from the Sacred Forest /しんれい」 川崎義博

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天平9年(737)創建と言われる西明寺をはじめ、綱神社・地蔵院(1194)、
円通寺(1402)など、益子には、平安末期から室町時代にかけて建立された寺社が多く残ります。
なかでも、益子の懐深く入った大羽地区のエリアに残る
綱神社と綱神社摂社大倉神社がある一帯は、宇都宮家の墓石群もあり、
益子町における歴史的な聖地ともいえる場所。
鳥居をくぐり、高い木立の参道を抜け、空気が変わりゆくのを肌で感じながら
茅葺屋根の神社を目の当たりにすると、まさに時の流れを遡ったような気がします。
何度もこの地で散策を重ねながら、川崎さんの音作りは始まりました。
「聖地、自然、歴史の深層」というテーマで神聖な地の伝説が「音」になり、
参道や境内、そして森に流れます。
■会期中は毎日オープン 10:00~17:00

川崎義博/かわさきよしひろ

川崎義博/かわさきよしひろ

サウンドアーティスト/サウンドデザイナー。日本のフィールドレコーダーの草分け的存在。1990年放送局St.GIGAの開局と同時にプロデューサーとして、世界各地をフィールドレコーディング。番組制作多数。CD「知床」「バリ島」「トリニダードトバゴ」「奈良・吉野・高野山」「佐藤初女/母の心をすべてに」など13作品。DVD「屋久島」の音制作など。又、リアルタイムの環境音の伝送も手がけ、’97年世界で初めてのリアルタイムで世界の音が聞こえるサイト「SoundExplorer」を手がけ、現在SoundBum、AQUA-scapeを制作。インスタレーションは、’91年東京パーンを始めとし、日本武道館など様々な場所で展開。又、日本科学未来館、東京都写真美術館、金沢21世紀美術館(オープニング展)での世界の音の作品がある。近年、日本科学未来館のプラネタリウム「MEGASTAR 」の番組を手がけ、「新しい眺め」「星野道夫/アラスカの星の下で」「偶然の惑星」などの音を制作。詩人谷川俊太郎さんとのコラボレーション新作「夜はやさしい」が公開。2009年の土祭では3カ所でインスタレーション「聖(ひじり)音のある空間」を展示した。

  • 「yoshihiro kawasaki / Flower」

「yoshihiro kawasaki / Flower」2011年(個展)
素材:音、映像、石炭、ガラス、音響機器、映像機器 
mex Kunstlerhaus Dortmund(ドイツ/ドルトムント)にて発表

会場:綱神社 

  • 綱神社
  • 綱神社

その茅葺きの屋根の美しさは、側面から見ると、さらに印象的です。
綱(つな)神社と隣に立つ綱神社摂社大倉神社とともに、正面側の方が長く優美な曲線を描いて伸ばされた
「流造・ながれづくり」と呼ばれる様式のもの。
綱神社の「綱」は、平安末期から鎌倉初期にかけて、鳥羽院武者所、白川院北面の武士として活躍した
宇都宮朝綱に由来します。朝綱は、公田を横領したとの疑いで土佐に流されますが、
その後、許しを得て益子に戻ります。
土佐で賀茂明神に祈り続けて罪を許されたことから、益子の地にも賀茂明神を祀ろうと
建久5年(1194)に建立し、この地で余生を過ごしたと伝えられています。
大倉神社は、さらに古く、大同2年(807)に創建され、大永7年(1527)に再建されています。
当初は少し離れた林にあり産土神として信仰されていましたが、
昭和30年(1955)に、綱神社の隣へ移されました。どちらも、国の重要指定文化財となっています。

■開幕の儀
土祭の初日、9月16日午前9時より、綱神社にて「開幕の儀」を行います。
宮司による祝詞、江戸末期から伝わる太々神楽の奉納が行われ、川崎さん制作の「音」が、
森の中に静かに響き渡ります。
綱神社に見守られながら、祭は幕を開けます。

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