土祭2015アルバム|益子風土学セミナー

「風土・風景を読み解くプロジェクト」の聞き取りなどで浮き彫りになってきた課題の中からテーマを設定し、
町外の専門家と町内の実践者たちとともにトークセッションを行った「益子風土学セミナー」。
中学生による特別編を含む全6回の様子をご紹介します。

 

第1回|「森と里と海から考える、土と農業のこれから」

ゲストスピーカー|新井章吾(海藻研究所所長)/伊沢正名(糞土師・自然写真家)
司会進行ナビゲイター|廣田茂十郎(土祭実行委員会)

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水の循環をキーワードに全国の農林水産業の現場に関わる新井さんと、命の循環という観点で菌類のはたらきや人間と自然との関わりを探究する伊沢さんが、それぞれの活動の成果を来場者に共有。
町内で農業を営む廣田さんの進行の下、来場した農家の方も交えた意見交換はランチタイムトークまで続きました。

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午後はゲストスピーカーのお二人が案内するフィールドワーク。
伊沢さんの経験に基づく「マイ葉っぱ探し」と新井さんが専門とする「湧水の観察」を一度に楽しめる、またとない機会となりました。

 

第2回|「民藝の町で考える、作ることと売ること」

ゲストスピーカー|白岡彪(トットリプロダクツ協議会)
益子スピーカー|髙山英樹(木工家具作家)、島田恭子(陶芸家)
司会進行ナビゲイター|濱田琢司(南山大学人文学部日本文化学科教授)

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民藝産地の一つである鳥取からお招きした白岡さんが、約80年前に民藝運動を実践した「吉田璋也を今日的に見直す」取り組みを紹介。
益子スピーカーとしてご登壇いただいた町内の作り手お二人と、濱田庄司の孫で民藝の研究者でもある進行役の濱田琢司さんが、鳥取と益子の状況を比較しながらそれぞれの視点を提供し、多角的に「民藝」や「産地」を考える場となりました。

 

第3回|「風土とともに継ぐ音楽」

ゲスト演者|内田輝(音楽家)
益子演者|益子町山本 妙伝寺雅楽
司会進行ナビゲイター|町田泰彦(土祭企画運営委員会)

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14世紀の西洋で生まれた鍵盤楽器クラヴィコードの演奏活動を行う内田さんと、益子・山本地区の妙伝寺で明治20年から雅楽を継いでいる地域の方々とが出会い、それぞれの背景の解説とともに演奏を披露。
生まれた風土も音の大きさも全く異なる二つの音楽がお互いを引き立て合う、ここにしかない場が出現しました。

 

第4回|「益子での自然エネルギーの可能性」

ゲストスピーカー|三浦秀一(東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科教授)
益子スピーカー|橋本晧朗(町環境基本計画推進委員会前委員長)、高島由典(高島油店)
司会進行ナビゲイター|廣瀬俊介(土祭風土形成ディレクター)

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山形を中心に森林のエネルギー利用に携わる三浦さんが、豊富なデータと事例を基に益子の森林のもつ可能性を説明。
続いて町内で環境問題に取り組むお二人がそれぞれの活動を紹介し、それを受けて地域経営の視点を交えた活発な意見交換が展開されました。

 

第5回|「益子の光 表現者と宗教者の対話」

ゲストスピーカー|高橋恭司(写真家)
益子スピーカー|合群信哉(清浄寺住職・親鸞研究者)
司会進行ナビゲイター|廣瀬俊介(土祭風土形成ディレクター)

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益子の歴史にも深く関わる浄土真宗のことを手掛かりとして、益子から世界に出た写真家の高橋さんが投げかける「生きること」にまつわる問いに対し、宗教者の立場から合群さんが答えるやり取りに、来場者からの質問も加わって白熱した展開に。
益子で育った同級生同士の対談ということもあり、お二人の旧知の方々を始め多くの来場者にお集まりいただき、会場は熱気に満ちていました。

 

特別編|中学生企画「益子町の魅力を探る“移住者インタビュー”」

企画運営|七井中・益子中・田野中有志9名
ファシリテーター|益子出身の学生2名

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町内3中学校から集まった中学生自らが益子への移住者にインタビューし、その結果を皆で考察して見えてきた「益子町の魅力」を、各自の感想や気付きとともに来場者に向けて発表。
ファシリテーターや来場者からの質問にも堂々と答える姿に、会場からは惜しみない拍手が送られていました。

 

ランチタイムトーク

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特別編を除く各回で、登壇者を囲んでの「つづき」の時間として開催したランチタイムトーク。
会場のある田町エリアの名物「ビルマ汁」の付いた「田町定食」が地元商店の協力により提供され、登壇者と来場者との交流の場を支えました。

(事務局 今井|写真 矢野津々美 土祭事務局)

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