参加レポート|風景社セッション第6回
2021年12月4日(土)、 風景社セッション2021が開催されました。
風景の中にも現れてくる、持続可能な地域づくりのあり方を探り、 そこに個人の生き方や暮らし方を、どう重ねていくかを、 講師や参加者とともに考えていく、 という趣旨で開催されています。
赤池円さんとは…
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赤池さんは、本業であり代表を務めるWeb制作会社 「グラムデザイン 」のお仕事の傍ら、さまざまな「森づくり」 の団体に関わっていらっしゃいます。詳しい紹介は、 こちらの土祭プログラムページをご覧ください。
赤池さんと森…
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普段は「裏方として企画する側」が多いという赤池さんですが、 今回は赤池さんのこれまでの活動や森への思いを聞くことができる 貴重な機会です。
なぜ森を求めるのか…
赤池さんのキャリアの半分は環境問題に関することだと言います。
赤池さんの幼少期は国内で公害が問題になった時期と重なります。
1980年代になると都市生存型の環境汚染が問題となり「 物の使い捨て」が増える時代となります。
1990年代には地球環境問題を世界全体で見つめ直す時代になり ました。
2008年環境ジャーナリスト枝廣淳子さんとの出会いから環境に ついての勉強を始められます。
行きつけの森ができたらいい!
環境について学ぶ中で赤池さんは
「森と暮らしと心はつながっている」と考えていきます。
私の森.jpのイベントでは
「森を祝う みんなの夏至祭」として新宿合羽坂のオフィス内に、 下呂や馬頭から取り寄せた本物の枝葉を取り付けて森を再現されま した。
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また「日本酒飲みながらMy杉玉を作ろう会」 というイベントでは、そのタイトル通り、 日本酒を飲みながら手元で集中しながら杉玉作りをしたそうです。
チョキチョキと杉を切るその切り葉が、 日本酒に入りよい香りになるそうです。
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こうしたイベントには「行きつけの森」や「私にはあの森がある… 」と都心にいても思いを馳せる先(森や山)があること、 その感覚が心を満たしてくれる、 そのことを多くの都市で生活する人にも伝えたいという、 赤池さんの思いがあります。
お墓ではなく、森に還る…
日本では亡くなると石のお墓に入る、というのは一般的ですが、 冷たい墓石に入ることを果たしてみんな望んでいるのか? という投げ掛けもありました。( 実は墓石は江戸時代の石屋さんが考えたものだとか…)
昔は
「おら、死んだらあの山に還るんだよ」
と話す人も多かったと言います。
病床で余命宣告を受けている状態の自分が、
「あぁ、あの山行きたいな、今どんな色づきしてるのかな。 あの空気を吸いたいな」
と思いを馳せる…
そうしたことを望む人は多いのではないかと赤池さんは考えます。
コメンテーターとの対談
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後半はコメンテーターの塚本竜也さん大塚康宏さんとお話を進めま す。
塚本さんは
NPO法人トチギ環境未来基地の代表を務めています。 益子町大沢に事務所を持ち、 県内の各地や福島県の湾岸部で森林整備等を若者、子ども、 障害を持つ方、 外国の方など様々な人と関わりを持ちながら活動されています。
大塚さんは風景社のメンバーで益子町出身、在住。 益子町道祖土の竹林整備などを地域のボランティア、 知人の協力を得ながら活動されています。
どうやって人を巻き込むか…
会場の参加者からも質問が出た「 ボランティアや地域の人をいかに巻き込んで森林の活動をするか」 について赤池さんやお二人からは、
・ピクニックなどと同様に楽しい部分を見せる
・その場所をいいよね、と思ってもらえるようにする
・(個人の土地でも)みんなの場所という認識をもってもらう
・子どもの体験をきっかけに
・技術的なことも示していく
などのアドバイスがありました。
あえて結論づけしないこと
赤池さんは森の活動のなかでジレンマを感じることもあるそうです 。
森との持続的な関わり方(一過性ではない活動)が必要で、 それには全体をとらえていく力が重要と感じられています。
どの業界も同様かもしれませんが、 専門性が高まり細分化されすぎていくと、 全体に対し総合的に対応していくことができなくなることがありま す。
赤池さんは「あえて結論は出さずに細分化しない領域を作る。 それが自分にとって大きなモチベーションになっている」 と考えます。
自分の感性をみがいて物事をとらえる、
自分の分からないものを交換しあう、
そうした姿勢が赤池さんのお話の中でたくさん見えてきました。
感性を磨くこと、
分かったつもりにならないこと、
これは専門職で働いている人は思い当たる感覚ではないか、 と私も思いました。
森を思う…
セッションの2時間はあっという間で、 会場の皆さんが夢中になってお話を聞いていました。
森について、生き方について、自分の最後について…
考える機会となりました。
セッション終了後、 赤池さんの関わりある森の写真アルバムを参加者に見せてくれまし た。
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「皆さんは行きつけの森ありますか?」
(土祭2021レポーター 藁谷はる)