変化に富む、里山の景色

旅雑誌や個展を中心に活躍中の画家・イラストレータ―の吉永さんより
メッセージが届きました。
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最初は、観光客として益子に来ました。
大きなたぬき像の前にクルマを止めて、陶芸絵付け体験をして。
そのときは、城内坂のメインストリートだけが、益子のすべてに見えました。

2011年の秋、陶器市のイラストマップを作るために、益子町内のいろいろなところに行きました。
益子の人の案内で、観光客が行かないような道を通って、須田が池や西明寺へ。
丘を越えると広い田んぼがあって、護岸されていない小川が流れていて、
その向こうの丘には林や果樹園があったり。
変化に富んだ里山の景観に驚きました。

その後は、蒸気機関車で来たり、レンタサイクルに乗ったり、歩いたり。
移動する早さが遅くなるにつれ、益子と波長が合ってきたようです。

実は、益子の里山風景を描くのは難しいです。
それは、「益子らしさ」というものが特にないからです。
あえて益子らしい景観を挙げるとしたら…..私にとっては、空です。
高い建物がなく、山の稜線がなだらかなので、山あいの町にしては空を広く感じます。
そして、一日中大気が不安定そうで、雲の形がどんどん変わります。
特に、夕立を前にした藍色の雲は、ここでしか見られないのではないでしょうか。

「土」祭ですけど、空にも注目してみてくださいね。
空が変わりやすいということは、一日の中で、土の色も変わりやすいですから。
私も、土祭期間中に訪れるのを楽しみにしています。

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吉永直子/画家・イラストレーター 東京都在住。

イラストは吉永さんが描いた、益子の日下田藍染工房。
土祭で「灯りのインスタレーション(川村忠晴)」の会場となる。

現在、益子町の「猫車」にて個展「益子絵図」開催中。8月26日まで。
ごはん屋ギャラリー猫車

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