七つの神社を巡る|古川潤さん(2)制作レポ|大きな楠から生み出される生命

アートのはじまり

9月中旬の朝、古川さんのアトリエにお話を伺いに行ってきました
まず驚いたのが、強い木の香り。
挨拶をしながらも香りが気になって、なんの木か尋ねると「楠(くすのき)だよ」と仰っていました。

強い香りですね、と言うと、この木がどこから来たのか教えてくれました。
意外や意外、この楠は、横浜から連れて来たのだそうで、大きな木は結構都会からやって来る事があるんだそうです。
なんだか不思議な気持ちになりました。

この大きな木をどんな風に生き物の姿に変えていくのか。
話を止めて、ちょっと作業を進めていただきました。

全く先の見えない作業ですが、このようにチェンソーで粗削りをしながら、形にしていくようです。

古川さんが作業をしている隙に、アトリエ内を勝手に探索させていただきました。
今回の作品のイメージ図とその生き物が佇んでいます。

大きな木から生み出される生命。
どんな作業を経て、ここまで辿り着くのでしょう。
想像する事が難しいくらいです。

ふと、薪ストーブに視線を落とすと、どうやら鳥のような作品が置いてあります。
ストーブに置いてあるのでまさか失敗でもして燃やすのかな、と思って聞いたら「いや、作品だよ」と笑っていました。笑ってくれてよかった…です。
作り手は何の気なしにあちこちに置くのでしょう。
なんだかちょっとシュールでした。

アトリエ内にはたくさんの生き物たちが点在しています。
切り倒された木に、新たな生命を吹き込んでいくような、そんな空気が漂います。

静かな山のなかで作業する古川さん。
朝活をしているそうで、毎朝6時には自宅から、徒歩30秒のアトリエに来るのだそう。
目を向けると、そこには自然がある。
どこに行く必要もない。
ただ、作業に没頭し、煮詰まるとドライブがてら野菜を買いに行く

静かな暮らしの中から生まれていく生き物たち。
古川さんは「土祭」に参加するのがこれで3回目。

土祭2015「綱神社」
https://hijisai.jp/blog/hijisai-archive/2015hijisai/terasu/6971/

土祭2018「益子の森」
https://hijisai.jp/blog/jimukyoku-dayori/9318/

を経て、また新しい生命を「綱神社」に。
10月15日からのアートが楽しみになります。

古川潤さんの紹介はこちら
http://hijisai.jp/blog/2021hijisai/art/11232/

アート部門の紹介はこちら
http://hijisai.jp/program/c-03-4/

(土祭2021レポーター:松永玲美)

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