土祭2015アルバム|益子の原土を継ぐ 後編

[この土地で生きることの祭り「継ぐ」城内エリア]

「益子の原土を継ぐ」陶芸メッセ・益子内 旧濱田庄司邸(城内)

「益子の原土を継ぐ」の会期中の様子を前編・後編に分けて写真アルバムでご紹介します。
出展作家|
 (陶)阿久津雅土、岩下宗晶、岩見晋介、岩村吉景、大塚一弘、大塚誠一、加藤靖子
    加藤弓、川崎萌、川尻琢也、郡司慶子、近藤康弘、庄司千晶、菅谷太良
    鈴木稔、中村かりん、萩原芳典、宮田竜司、村澤享、若杉集
 (染)中村曙生、宮沢美ち子 (絵)加藤靖子、古田和子(左官)白石博一

会場構成| 田賀陽介
作家取材| 仲野沙登美 ※ブログでの写真と文章による各作家紹介

「益子の原土を継ぐ」前編ブログはこちらからご覧になれます。

 

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それでは、「益子の原土を継ぐ」後編のアルバムをどうぞご覧ください。

《作品紹介・後編》

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郡司慶子「えんばんNo.03」「陶板No.68」「陶板No.69」

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近藤康弘「ポータブル竈」

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庄司千晶「ホームタウン」

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白石博一「蓮〜祈りと救い〜」

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中村かりん「dress」

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菅谷太良「ぶーちゃん」「焼〆花器」


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鈴木稔「ケルティクシリーズ No.01~05」

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鈴木稔「ケルティクシリーズ No.06」

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中村曙生「無題」

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萩原芳典「無題」

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古田和子「アカメガシワノミガナルコロ」

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宮沢美ち子「益子土染め」

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村沢亨「焼締草紋皿」

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宮田竜司「焼締獅子置物 (阿吽) 、焼締竜置物」

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若杉集「丸く丸く…鋭くPART2」

関連リンク集
・プログラム紹介と益子の原土を継ぐ参加作家プロフィール
・益子の原土を継ぐブログ
・2012土祭 / 益子の土をめぐる対話
・土祭2015アルバム「益子の原土を継ぐ」前編

 

(事務局 萩原|写真 長田朋子 矢野津々美)

土祭2015アルバム|益子の原土を継ぐ 前編

[この土地で生きることの祭り「継ぐ」城内エリア]

「益子の原土を継ぐ」陶芸メッセ・益子内 旧濱田庄司邸(城内)

「益子の原土を継ぐ」の会期中の様子を全編・後編に分けて写真アルバムでご紹介します。

出展作家|
 (陶)阿久津雅土、岩下宗晶、岩見晋介、岩村吉景、大塚一弘、大塚誠一、加藤靖子
    加藤弓、川崎萌、川尻琢也、郡司慶子、近藤康弘、庄司千晶、菅谷太良
    鈴木稔、中村かりん、萩原芳典、宮田竜司、村澤享、若杉集
 (染)中村曙生、宮沢美ち子 (絵)加藤靖子、古田和子(左官)白石博一

会場構成| 田賀陽介
作家取材| 仲野沙登美 ※ブログでの写真と文章による各作家紹介

土祭期間中、益子の原土を使った表現として展示を行いました。
期間中の9月23日には作品の講評会と土染のワークショップも行いました。
講評会はこの機会に展示をするだけではなく作家の方々が、今後このプロジェクトの
成果を、今後それぞれの生業に活かすため、そして各々の創意工夫を語り産地として、
益子の原土の、可能性を語り合う場として設けました。
講評会当日は、来場者に向けて藍染の染色家、中村曙生さんが原土で布を染めるワ
ークショップも行いました。

それでは会場をご紹介いたします。
陶芸メッセ・益子内にある旧濱田邸とその敷地内にある陶芸工房と登り窯で
行い、会場に徒向くと、まず足を運ぶのは、陶芸工房の「原土を知る展示」、
土に触れてから展示が行われている濱田邸と、登り窯へと続きます。

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《原土を知る展示》
陶芸工房内の原土の展示では、益子の土3種と、各々の作家が土をどのように精製するかを、
知っていただく展示になりました。こちらで来場者は、普段、触れることも知ることもない、
土と、使用するための多岐に渡る精製方法を知ることができます。
土に触れてから展示が行われている濱田邸と、登り窯へと続きます。
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《旧濱田邸・作品展示会場》
益子の小麦の藁で製作した「結界」に沿って、
作品の展示会場となる、旧濱田邸の縁側より入館します。
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《旧濱田邸内部の展示》
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《作品講評会の様子》
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《藍染め染織家・中村曙生「原土で布を染めるワークショップ」》
来場者に向けて原土で布を染めるワークショップも行いました。
「自分の手で触る、自分で色を付けてみないと、興味の度合いが変わりますよね。
1つのことを共有することで、開けるものがあると思っています。」と中村曙生さんは語ります。
中村曙生さん、染織家の宮沢美ち子さん、陶職の若杉集さん、会場構成ディレクターの田賀陽介さん、に益子の土の説明を受け、中村曙生さんが糊付した布を、参加者で刷毛で色を置いて行きました。
期間中に乾燥させ、糊を洗い流しすと糊付けした所が白く抜け、美しい模様が浮かび上がりました。
(写真上)
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使用材料
1)糊で模様の型をした布 (中村曙生氏制作)

型染めの布は、下処理として木綿の布に豆汁に浸し乾燥させ、一度洗い乾燥させた布に 防染糊(もち粉を使った糊) とおがくずにより型の糊を、捺したもの。

2)染織材料 
益子の原土  (北郷谷黄土 (黄) 、大津沢ボクリ土 (白) 、新福寺桜土 (橙・桃) 、北郷谷ボクリ赤土 (朱) 、北郷谷中村曙生さんの自宅の土)
豆汁
刷毛

 

《展示紹介》
ここからは、それぞれの展示をご紹介いたします。
(会期までに掲載した作家紹介のブログをご覧になれます。写真または名前を選択していただくとリンク先が開けます。※一部ブログがありません。)

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阿久津雅土「筒碗」

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岩下宗晶「益子原土標」

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岩見晋介「益子風土記」

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岩村吉景「火鉢」

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大塚一弘「土層」

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大塚誠一「野焼陶器」

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加藤弓「ましこのいれもの」

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加藤靖子「ひっそり虫」

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川崎萌「陶印花器」

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川尻琢也「土壷」

それでは後編へ続きます。

関連リンク集
・プログラム紹介と益子の原土を継ぐ参加作家プロフィール
・益子の原土を継ぐブログ
・2012土祭 / 益子の土をめぐる対話

 

(事務局 萩原|写真 長田朋子 矢野津々美)

「益子の原土を継ぐ」染織家 中村 曙生さん

益子で採れる原土を用いて陶芸家・染織家・日本画家・左官、24名の作家たちが、
新しい表現に挑戦しています。
益子の原土「北郷谷黄土」「新福寺桜土」「大津沢ボクリ土」の3種類を使用し制作。
作品は、土祭期間中、展示会場のひとつとなる、陶芸メッセ内 旧濱田邸で、展示します。
24名の作家の、作品への想いを紹介します。

染織家 中村 曙生さんの、作品への想いを紹介します。 
益子の原土を継ぐ 中村曙生さん

中村さんの細工場は、道祖土地区にあり、深い森に囲まれた場所にありました。
中村さんは、宇都宮市出身で、学生時代は東京にいたそうです。
初めから染織をしていたわけではなく、東京ではデザインの仕事をしながら、
夜、染織の教室へ行き、学び続けていました。
その後に、住まいを益子町に移し、日下田藍染工房で6年間修行。
中村さんはにこりと微笑んで、今は、益子町が故郷ですよとおっしゃいました。

「陶芸家の若杉集さんと、染織家の宮澤美ち子さんと一緒に、採掘してきた赤い土があります。
3種類の原土と、採掘してきた赤い土を使用します。
乳鉢で擦って、土を顔料にしました。
原土は水簸したのと、水簸をしていないのも作ってみました。
私は、草木染めもするのですが、植物から引き出せる色って、いろいろあるんですよ。
原土を染めてみて、今まで気が付かなかった世界に足を踏み入れた気分で、
とてもステキなことだなと思いました。
ものに対する見方が深くなったようにも思います。
土の中にも、植物の中にも色があるのですね。気が付かなかっただけで。
自然の中の色を導き出してみて、また、違った色がみえてきました。」

原土について伺いました。
「自然の色が、どのように表現できるのか。世界の景色を土で出したいと思っています。
陶芸家さんのように、原土を粘土にする必要がないのですが、水簸して粘土にもしてみました。
紙にテストをしてみると、粘土はあまり色が乗らなくて、
水簸して底にたまった砂などに、色が出ることがわかりました。
染めるということだと、粘土にすることにこだわらなくてもいいのだなと知りました。
でも、水簸することによって、わかったこともあり、手間がかかりましたが面白かったです。
こういう仕事をしてみて、いろんなものを、染められる可能性があるのだと思いました。」

小さな小道の右側が細工場、左側には、布を乾かす為に、ビニールハウスが建てられてあります。
ビニールハウスはとても広く、ここで、紙にテストしたのを1枚1枚広げてくださいました。

益子の原土を継ぐ 中村曙生さん

藍が入っている壷を、中村さんはゆっくりとかき混ぜました。
近くには、布を洗う深く幅がある洗面台、大きな釜もありました。
藍の独特の香りつ包まれながら、中村さんがご自分で作った
型紙や道具などを見せていただきました。

「私は、型染め、藍染めを中心に作品を作っています。
土祭の作品には、型染めの技法を取り入れ、原土で染めますが、藍染めも一部入れて、
土と藍をコラボさせようと思っています。
飾り布を3枚出す予定でいて、中央に幅が広い布と、左右には細い布。
幅が広い布には、自然を表したかったので、樹木をデザインしてみました。
型で染めるというのは、紅型と同じですよ。
糊が置かれたところところが、染まらないようになりますね。
型紙は、自分でデザインをおこして、自分で彫ります。」

細工場では、これから原土と藍で染められる布が、そこにありました。
細かい模様が浮かび上がっています。

益子の原土を継ぐ 中村曙生さん

「自然豊かなこの場所に、つい引きこもって作品作りをしてしまうのですが、
益子の祭りの祇園祭では、城内という地区のお囃子を
ずっとやっていて、外に出るきっかけになりました。
そこで知り合った方達とのつながりが、地域の人達とのかかわりを持たせてもらったのです。
お祭りの皆さんと知り合えて、よかったです。
また、風土を読み解くという、地域の人達が集まって話をする会にも参加しました。
新しい世界が開けた感じがしました。
益子の良さを再認識し、人と話す、つき合うって、大切だと思いました。」

中村さんは、草木染めも大事な仕事ですよと、ショールを肩に乗せました。
絹なので、光沢があります。
草木の息吹、秘めている色、その色を引き出す草木染めという技法。
草木染めの作品は、渋く淡い色合いだと思っていたので、
こんなに鮮やかだとは、思いもしませんでした。

「土祭を通して、益子の見方が変わりました。
いろんな人が来てくださるといいなと思います。
第1回目の土祭では、日下田藍染工房の入り口で、
スタンプラリーのハンコ押しのボランティアをしていたんですよ。
今回の土祭、広がっていくといいですね。
私は、今回、ワークショップをやろうと思っています。
自分の手で触る、自分で色を付けてみないと、興味の度合いが変わりますよね。
1つのことを共有することで、開けるものがあると思っています。」

益子の原土を継ぐ 中村曙生さん

「ここは、イノシシが出てきたりもしますが、自然がとても豊かで、
月や星もキレイで、暮らしていると、私も自然の一員なんだと感じます。
好きなことをして暮らしているだけなのですが、
でも、納得いく作品を作りたいという気持ちが強いです。
それも自然体に。いつか、納得がいく作品ができたらいいなと思っています。」

原土と藍がコラボされた中村さんの作品。
思いもしない色合いに、出会えるかもしれません。

(土祭広報チーム  仲野 沙登美)

「益子の原土を継ぐ」陶芸家 庄司 千晶さん

益子で採れる原土を用いて陶芸家・染織家・日本画家・左官、24名の作家たちが、
新しい表現に挑戦しています。
益子の原土「北郷谷黄土」「新福寺桜土」「大津沢ボクリ土」の3種類を使用し制作。
作品は、土祭期間中、展示会場のひとつとなる、陶芸メッセ内 旧濱田邸で、展示します。
24名の作家の、作品への想いを紹介します。

陶芸家 庄司 千晶さんの、作品への想いを紹介します。 
益子の原土を継ぐ 庄司千晶さん

大沢地区に庄司さんの細工場はあり、中へ入ると、白い型がたくさん置かれてありました。
益子に来るまでをお聞きしますと、大学中に陶芸と出会い、漆にも興味を持ち、
漆の道にも入られたのだとか。東京でインテリアスタイリスト・コーディネーターとして活躍し、
陶芸を学ぶために、再び、大学へ。
益子陶芸美術館 陶芸工房スタッフとして勤務した後に、独立。

益子の原土を継ぐ 庄司千晶さん

「私は、磁土をいつも使用しているのですが、原土を使ってみたいと常々思っていました。
益子の原土を扱っている陶芸家の中で、若杉集さんは、
原土を表現するのに関して圧倒的な存在です。
若杉集さんに、会いたいなと思っていました。
でも、何もわからない状態で会うより、原土をいじり倒してから、会おうと思っていました。
自分自身やるだけのことはやってみて、第2回目の土祭で、原土を使って、
若杉さんと他のもう1人の方と、3人で表現しようというのに参加して、
その時、初めて若杉さんにお会いしました。
第2回目の土祭の作品で、自分がこういうのをやりたいんだという
方向性を見いだせたように思います。これが、第2回目の作品のひとつです。
掘ってきた地層が美しく、そのまま、焼いてみました。
もうひとつは、掘ってきた原土を細かく粉にして、地層を表現してみました。」

掘ってきたそのままの原土。
この地層は自然が生み出した曲線。

「私は長くやりたい仕事として、磁土で、型を用いて成形をしています。
器は器として、オブジェはその時の気持ち、今までの道のりも乗せて表現できたらと思っています。
原土とのつながりというと、いつもは磁土を仕事にしているので、自分の中で葛藤がありました
ようやく、前の土祭から3年が経ち、原土に引き寄せられるかなというところになりました。
前は、原土に片思いしているような感じで、1人よがりにぶちまけた作品でした。
この人、好きっていう感じで作っちゃった感じ。」

原土に対して片思いと話した恥ずかしさもあるのか、口に笑みを浮かべながら話す庄司さん。

益子の原土を継ぐ 庄司千晶さん

石膏型に泥漿(粘土と水を混合状態にしたもの)を流し込み、
乾燥させて素地を作ることを鋳込みと言います。
手ろくろの上で成形を続ける庄司さんの横には、
乾燥を待ち、取り外されるのを待つ型がありました。
鋳込みという技法で、庄司さんは器を作り続けていらっしゃいます。

「今回は、今まで使ってきた原土とは異なる原土で、初めて扱う感じです。
色合いとか、触り心地も違う。原土の色合いがとても好きです。
地層によって、発色も違うんですよ。益子の3種類の原土、新鮮な気持ちで向き合っていますし、
前回の土祭とは、気持ちが全然違います。
日光の火山灰土の今市軽石地層は、赤くでるので、今回、この土も使います。
赤いレンガっぽい家になるかな。
もっと原土のことを知りたいし、いろんなことをやってみたい。
土祭の作品は、家の形を作ります。各原土で作って、並べます。
原土の色合いを並べるというか、コントラストを楽しみたいです。
磁土でも作っているシリーズですが、原土の色合い、風合いを出せたら・・・
何棟かあって、いろんな暮らしがあって、いろんな家があって、
磁土との表現とは違う感じに仕上がると思います。
磁土では、夢というタイトルで、暮らしや住まいはいいなと素直に作っていました。
鳥とか、葉っぱとか、いろんな人が作っている形として、家を、私も作ってみたのです。」

益子の原土を継ぐ 庄司千晶さん

「第3回目の土祭は、コンテンツが増えましたよね。
意識的にいろんな人々がかかわって、かかわる人も多くなりましたね。
良い変化だなぁと思いました。3回目にして、広まったというか。
自分自身がかかわっていると、行ってみようとか、誰か誘ってみようとか、
自然にそういう気持ちになって、陶器市にはない集客になると思います。
土祭は、益子の雰囲気を打ち出す感じがします。
作品を見せるアートと、食や雑貨などを販売するマーケットのどちらかではなく、
アートとマーケットの2本柱のように、いろんな人、いろんな気持ちがあって、
気楽に、みんなで、盛り上がるのが私は祭りだと思っています。」

壁には、壁掛けの作品が何点か飾られてありました。
壁掛けは、新たな試みだとか。
磁土で鋳込みをし、原土を知り、新たな作品作りに挑戦している庄司さん。
白い磁土に、まっすぐに向き合う横顔から、ひたむきさが伝わってきました。

(土祭広報チーム  仲野 沙登美)

「益子の原土を継ぐ」陶芸家 中村 かりんさん

益子で採れる原土を用いて陶芸家・染織家・日本画家・左官、24名の作家たちが、
新しい表現に挑戦しています。
益子の原土「北郷谷黄土」「新福寺桜土」「大津沢ボクリ土」の3種類を使用し制作。
作品は、土祭期間中、展示会場のひとつとなる、陶芸メッセ内 旧濱田邸で、展示します。
24名の作家の、作品への想いを紹介します。

陶芸家 中村 かりんさんの、作品への想いを紹介します。

益子の原土を継ぐ 中村かりんさん

「上三川町出身で、23歳ぐらいの時に、陶芸をやりたいなと思い始めました。
会社員として働いていましたが、25歳の時に益子に来て、窯業指導所で学んだり、
陶芸家さんのバイトなどをして、2年間学びました。」

中村さんの細工場は七井地区にあり、以前も陶芸家が借りて作陶していた場所。
中村さんは、窯業指導所1年目は、基本的なろくろの技術を学び、
2年目は伝習生として、釉薬の方を勉強したそうです。
釉薬の勉強をした証、テストピースの三角座標が何枚もありました。
少しの配合の違いで、様々な色の表現ができます。

益子の原土を継ぐ 中村かりんさん

「土祭の作品は、北郷谷の原土の白土を、人の上半身に使用してろくろでひきました。
上半身は白土、ドレスの部分は、原土をたたらにして、パーツを作ります。
私は人が作りたかったのです。原土を見せたい。
細かいパーツを作って、つなげようと思いました。」

原土を叩いたと思われる金づちやふるい。
細かく砕く作業は、骨が折れたことでしょう。

「私は、いつもは原土は使っていません。でも、窯業指導所で学んでいた時に、
陶芸家の若杉集さんと原土掘りに行ったことがあります。
水簸して、150メッシュで濾して、粘土を作りました。6年前のことでしょうか。
その粘土を放置してあって、今回のテーマに合うなと思って、取り出しました。
3種類の原土は水簸しないで、叩いて細かくして、水を入れて練りました。
成形できたので、たたら作りをしてドレスのパーツと思って焼きました。
たたら作りというのは、粘土を板状にし、これを箱型や筒状にしたり、
型に押し当てたりして形を作る技法です。ひとつ、ひとつの仕事が面白かったです。
当たり前に粘土を買っていたので、自分で粘土を作るということは新鮮でした。
初めて菊練り(粘土を練り空気を出すこと)できた時や、
芯出し(ろくろに粘土を置き、ろくろの中心に据える作業)できた時のような感動がありました。」

個展が終わったばかりの細工場に、少しだけ作品が残っていました。
傷が入ってしまった作品なので、手元に残したそうです。
女性らしいやわらかな釉薬の色彩、細やかな作業、見る人を和ませるデザイン。
伝習生として釉薬を学んだことが、作品に生きています。

益子の原土を継ぐ 中村かりんさん

「第1回目の土祭は、窯業指導所の研究生でした。
第2回目の時は、独立していて陶芸の仕事をしていて、今回の第3回目は作家としての参加。
現在、独立して6年目となりましたが、最初は、回りが見えないような感じでした。
とりあえず作ろう、作らなくっちゃと、余裕がなさすぎて、
いろんなことが見られなかったというか・・・
独立して5年が経った時、もっと益子のことと向き合いたいと思いました。
自分が益子にいる理由とはと思った時、若杉集さんから、今回の原土を使っての作品作りの
話をいただき、自分の中でこうしていきたいという気持ちが固まっていきました。
自分ができることで、背伸びをしないで、自分が成長できたらいいなと思っています。
まだまだ駆け出しで、これからという感じですが。」

中村さんの作品には、人柄がとてもよく表れているように感じます。
女性らしく丸くて、ふっくらしていて、細やかで、人を和ませる力。
中村さんの作品を見た時、心がふっと穏やかになる瞬間がありました。

益子の原土を継ぐ 中村かりんさん

歴史ある旧濱田邸に「益子の原土を継ぐ」24名の作家、そして作品。
秋風が吹く中、益子の原土から生まれた作品たちを、
あの場所で、出会っていただけたら・・・
見た人の心に「継ぐ」
益子の原土を通して、これからも、皆様とつながっていくことを、
とても楽しみにしております。

(土祭広報チーム  仲野 沙登美)

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